ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告にグルタールアルデヒドを添加した(ただし,6月13日及び6月18日は最終濃度が4%になるようにシュガーホルマリンを添加した)。検体は計数直前まで5℃以下で冷蔵保存した。2.2水質の測定栄養塩濃度は,湖水の原液と,孔径1μmのガラスフィルター(Whatman,GF/B)で濾過した濾液を用いて測定した。硝酸態窒素(NO 3 -N),亜硝酸態窒素(NO 2 -N),アンモニア態窒素(NH 4 -N),リン酸態リン(PO 4 -P)はオートアナライザー(BRAN+LUEBBE,AACS-Ⅱ)を用いて流れ分析法で分析した。溶存態ケイ素(D-Si)は比色法を用いて測定した。秤量済みの孔径1.0μmのガラスフィルター(Whatman,GF/B)で湖水を一定量濾過して,105℃で2時間乾燥後,秤量して懸濁物質量(SS)を算出した。クロロフィルa濃度(Chl-a)は測定用に孔径1.2μmのガラスフィルター(Whatman,GF/C)で湖水を一定量濾過して,15 mlの遠沈管に移し,測定まで氷点下30℃で冷凍保存した。5)濃度の算出は3波長吸光光度法に準じた方法で行った。ろ紙にエタノールを加えて,2℃の冷蔵庫で一昼夜抽出後,吸光光度計(SHIMADZUUV-2550)を用いて吸光度を測定した。2.3気象及び連続観測データ気象データは土浦における降水量,日照時間,風速を気象庁のホームページから入手した。また,水温,DO,Chl-aについては,掛馬沖水質自動監視所において1時間間隔の連続観測データを(独)水資源機構利根川下流総合管理所から入手して,調査と調査の間を補間するデータとした。なお,連続観測データのうち,DO及びChl-aは本調査の結果を用いて補正を行った。2.4プランクトン類の同定及び計数プランクトン計数用検体は顕微鏡下で同定及び計数を行った。植物プランクトンは濃縮後,細胞密度を求めた。また,種毎に細胞密度に1細胞当たりの細胞体積を乗じることで細胞体積を求めた。1細胞当たりの細胞体積は,平成23年度~25年度に牛久沼で実施した調査の結果(未発表)を用いた。該当する種が無い場合は,霞ヶ浦(未発表)及び琵琶湖(私伝)における調査結果を用いた(資料1)。動物プランクトンは濃縮後,個体数密度を求めた。また,枝角類及び橈脚類については各調査,種毎に20個体を上限に体長を測定した。測定部位は枝角類については頭部の前縁から殻刺の基部まで測定した。ただし,頭部の前縁に著しい尖頭が存在する場合は,尖頭部を除いた甲皮部から殻刺の基部までを測定した。橈脚類については全長を測定した。さらに平均体長(幾何平均)を求めて,体長-乾燥重量換算式(資料2)により乾燥重量を算出した。繊毛虫類及び輪虫類については1個体当たりの推定乾燥重量(資料2)を乗じて乾燥重量を求めた。なお,細胞体積及び乾燥重量が不明または他種からの代用が出来ない種があったが,この様な種は出現数が著しく少なかったことから,結果には含めなかった。3結果3.1現場測定及び水質測定結果現場及び水質測定結果をTable1に示す。水深0.1~3.5mの平均水温は11.8~28.7℃,平均pHは7.9~9.0,DOは6.5~11.7 mg・L -1であった。透明度は0.55~0.95mで,急激な上昇は観測されなかった。溶存態無機窒素(DIN)は0.01~0.46mg・L -1で,6月5日以降はDINの主体であるNO 3 -Nが枯渇したことにより,極めて低濃度で推移した。PO 4 -Pは0.002~0.013 mg・L -1で,枯渇することは無かった。D-Siは0.07~1.67 mg・L -1で,5月31日~7月9日までは0.5 mg・L -1以下と低濃度で推移した。SSは13.4~42.8 mg・L -1であった。Chl-aは34~109μg・L -1で,5月8日に最も低くなった。6月25日から7月2日にかけては急激に増加し,7月2日に最も高くなったが,7月9日には急激に減少した。46茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013