ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
- ページ
- 50/196
このページは 茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度) の電子ブックに掲載されている50ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度) の電子ブックに掲載されている50ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告トンであることを考えると,湖内有機物の削減のためには,有機物そのもの流入を抑制するよりも,栄養塩の流入を抑制する方が効果的であることが示された。4まとめ霞ケ浦における植物プランクトン由来DOCの寄与及び年間フラックスを明らかにするため,植物プランクトン生産物の溶存化,無機化,難分解化の速度,及びそれらの水温変化を考慮したボックスモデルを構築した。このモデルのパラメータには,実際に霞ケ浦の植物プランクトン群集を使って行なった生産・分解実験の結果を用いた。このモデルにより,植物プランクトン由来物の年間生産量とその行方を予測できるようになった。その結果,植物プランクトン由来DOCの供給量は外部起源DOCの流入量に匹敵することが示された。従って,栄養塩の流入を抑制することにより,DOCの削減も期待できることが示された。POCの大部分も植物プランクトン由来であると考えられることから,湖内有機物の削減のためには,有機物そのもの流入を抑制するよりも,栄養塩の流入を抑制する方が効果的であると考えられる。謝辞国土交通省関東地方整備局霞ケ浦河川事務所からは貴重な観測データを提供していただいた。ここに記して感謝の意を表す。5参考文献1)今井章雄・松重一夫(2001)国立環境研究所特別研究報告SR-36-2001湖沼において増大する難分解性有機物の発生原因と影響評価に関する研究2) Carlson CA(2002)Production and removalprocesses. In: Hansell DA, Carlson CA(eds)Biogeochemistry of marine dissolved organicmatter. Academic Press, New York, 91?1513) Ogawa H, Amagi Y, Koike I, Kaiser K, Benner R(2001)Production of refractory dissolvedorganic matter by bacteria. Science 292: 917?9204)花町優次・中村剛也(2013)植物プランクトン生産物からの難分解性溶存態有機物の生成.茨城県霞ケ浦環境科学センター年報7:42-475)花町優次・中村剛也(2013)植物プランクトン由来易分解性溶存態有機物の生成と分解.茨城県霞ケ浦環境科学センター年報8: 44-506) Solidoro C, Pastres R, Melakucanu D, PellizzatoM, Rossi R(2000)Modelling the growth ofTapes philippinarum in Northern Adriatic lagoons.Mar Ecol Prog Ser 199: 137?1487) Harris DC(1998)Nonlinear least-squares curvefitting with microsoft excel solver. J Chem Educ75: 119?1218)国立環境研究所地球環境研究センター霞ヶ浦データベース,9) http://db.cger.nies.go.jp/gem/inter/GEMS/database/kasumi/index.html(2014年7月29日時点)10)前田俊道・福田裕(2012)第1章食品冷凍の理論,「改訂新版冷蔵倉庫」(日本冷凍空調学会編)pp 1?21,日本冷凍空調学会,東京11)平成23年度第6期霞ヶ浦湖沼水質保全計画策定調査業務委託報告書12) Fukushima T, Park J, Imai A, Matsushige K(1996)Dissolved organic carbon in a eutrophiclake; dynamics, biodegradability and origin.Aquat Sci 58: 139?15713) Reynolds CS(2006): The ecology ofphytoplankton. Cambridge University Press,Cambridge.14) Carpenter SR., Adams MS(1979)Effects ofnutrients and temperature on decomposition ofMyriophyllum spicatum L. in a hard-watereutrophic lake. Limnol Oceanogr 24: 520?52815)今井章雄・松重一夫(2004)国立環境研究所特別研究報告SR-62-2004湖沼における有機炭素の物質収支および機能・影響の評価に関する研究44茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013