ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告度条件下で200, 30, 2μmols m -2 sec -1(LD cycle =16:8)の光量子束密度の15系の条件で実施した。30, 2μmols m -2 sec -1の光量子束密度の系は,寒冷紗で作成した覆いを用いて減光した。減光した系は,400 nmから700 nmのスペクトルに変化がないことをHyperOCR(Satlantic)で確認した。試験は,温度勾配培養機(MTI-203; SANYO)を用いて実施した。増殖は最大30日であり,現存量はOD 660nmを吸光光度計(V - 560;日本分光)で測定した。反復回数は3回で実施した。Pla. suspensaの増殖速度は,OD 660nmの自然対数値と培養日数から増殖曲線を近似し,増殖曲線がR > 0.8の区間で増殖速度を測定した。Normalized Absorbance2.2.3分離株の吸収スペクトル測定14)簡易型オパールガラス法で分離株の吸収スペクトル測定した。各処理区の培養液をメンブレンフィルター(3μm; ADVANTEC)で濾過し,リファレンスを濾過に利用したメンブレンフィルターとして,濾過した試料の吸収スペクトルを吸光光度計(V - 560;日本分光)で測定した。3結果28℃, 200, 30, 2μmols m -2 sec -1の系におけるPla.suspensa分離株のOD 660nmの変化をFig.1に示した。28℃の系では,200μmols m -2 sec -1の系が最も増殖が維持され,高い現存量に達した。光量子束密度が弱い系になるにつれて,増殖速度および増殖日数が減少する傾向が見られた。培養中において,200μmols m -2 sec -1の系と30μmols m -2 sec -1の系で培養株の色相が変化した。各系におけるPla. suspensa分離株の吸収スペクトルをFig.2に示した。30μmols m -2 sec -1の系は青緑色を呈しており,吸収スペクトルは,フィコシアニンの吸収極大である620 nmのピークが,680 nmのクロロフィルaの吸収極大と同等の吸光度を示した。また,200μmols m -2 sec -1の系はオリーブグリーンを呈しており,30μmols m -2 sec -1の系と比較して,620 nmのピークが低く,400 nmから450nmの波長域が高い傾向が見られた。特に,620 nmのピークは,680 nmのピークと比較すると,それぞれの系のOD 620 / OD 680は,0.77(200μmols m -2sec -1),0.90(30μmols m -2 sec -1)であり,200μmolsm -2 sec -1の系が低い傾向が見られた。試験から得たPla. suspensa分離株の増殖速度をFig.3に示した。Pla. suspensa分離株の増殖速度は,0.1 day -1から0.65 day -1で変動した(Fig.3a)。Pla.suspensa分離株の増殖速度は,水温の上昇にしたがって,増加した。Pla. suspensa分離株の増殖速度は,20℃を境に異なる変動を示した(Fig.3a)。20℃以上の条件では,Pla. suspensa分離株が水温の上昇・光量子束密度共に影響を受け,これらのOD 660nm1.00000.10000.01000.001028℃28℃, 200μmols 180μmol mm-2 sec sec-128℃, 30μmols 50μmol mm-2 sec sec-128℃, 2μmols 2μmol mm-2 sec sec-10 5 10 15 20DaysFig.1 28℃の系におけるPla. suspensa分離株のOD 660nmの変化.1.00.90.80.70.60.50.40.30.20.10.0400 450 500 550 600 650 700 750Wavelength (nm)30μmol m -2 sec -1200μmol m -2 sec -1Fig.2 200μmols m -2 sec -1の系と30μmols m -2 sec -1の系におけるPla. suspensa分離株の吸収スペクトル.最も高い440 nmの吸光度で標準化したもの.36茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013