ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
資料編有機物の変化を把握することが重要となる。また,湖内へ流入・湖外へ流出する有機物量,及び底泥から溶出する有機物量を調査することにより,水域ごとに有機物の物質収支を明らかにする。・水域ごとに対策により削減できる有機物量やその効果を算出するなど,効果的な削減対策の研究を行う。(ウ)湖内に流入する窒素の削減【これまでの成果】北浦においては湖内流入部で窒素濃度が急激に減少する。また,脱窒活性も湖内流入部では最も高いことが判明した。【今後の取り組み】・窒素濃度の減少は主に脱窒現象によるものと考えられることから,今後,西浦を含め底泥からの脱窒速度を測定すること等により,脱窒の起こりやすい底泥の化学的・物理的な組成や水温等の湖内環境を,水域ごとに明らかにする。・得られた成果から,脱窒が起こりやすい土壌により底泥を覆うなどの窒素削減対策について研究を行う。(エ)底泥からのりんの溶出抑制【これまでの成果】・高水温期には,底泥間隙水中のりん濃度が上昇し,溶出速度が大きくなる。・北浦北部のように硝酸が高濃度となる地点ではりんの溶出が少ない。・北浦中流域ではりん酸態りんが顕著に上昇する傾向がある。・河川流入部の底泥は粒子態りんが沈降するため高濃度となっているが,この沈降した粒子態リンからの溶出量は少ない。・夏季には湖底付近の溶存酸素量が低下する状態(貧酸素状態)が広範囲で生じる。・貧酸素状態は,湖水が上下に入れ替わらない状態が数日間続いた際に発生する。・湖水の流れや湖底の貧酸素状態を予測することが出来るように湖水の流れを精度良く再現・予測出来るシミュレーションモデルを作成した。【今後の取り組み】・りん濃度の上昇は,植物プランクトンの増殖,アオコの発生に直接関わることから,植物プランクトンの増殖を抑制するため,りんが高濃度となる時期や場所等について予測できるモデルを作成する。・作成したモデルを用いて,北浦において底泥からのりんの溶出量の大きい場所や溶出しやすい時期等を予測し,効果的なりんの削減対策について検討する。2水質浄化対策の効果検証【研究の方向】水質浄化対策の推進に当たっては,費用対効果の説明が重要であることから,新たな水質浄化対策について積極的に効果の検証を行う。また,より費用対効果が大きくなるような実施内容の工夫について,提案・検証を行う。【これまでの成果】・ハス田からの排水対策として,休耕田に無施肥でハスを栽培することにより負荷量を削減できる184茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013