ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

Ⅵ研究報告・調査報告2-4酸性雨の実態把握調査事業1目的茨城県内の酸性雨の経年的変化を把握するとともに全国環境研協議会酸性雨広域大気汚染調査研究部会が実施する酸性雨全国調査に参加し,広域的な降雨の酸性化機構を解明することを目的とする。2方法(1)調査期間及び試料採取調査は平成25年3月26日から平成26年4月8日までの降雨を対象とし,霞ケ浦環境科学センター(図1)の敷地内に設置した降水時開放型自動降水捕集装置(小笠原計器製US-330)で捕集した降雨を約一月分毎に回収し,降雨試料とした。(2)測定項目及び測定方法降水量は,重量法で求めた貯水量を捕集面積で除して算出した。その他の測定項目は,pH(堀場pHメーターF-52,電極型式6377),電気伝導率(METTER TOLEDO SevenMulti,電極型式InLabR720),イオン成分:SO 42-,NO 3-,Cl -,NH 4+,K +,Na +,Ca 2+,Mg 2+(Metrohm 850)とした。なお,測定項目の精度管理は,環境省の湿性沈着モニタリング手引き書1)に従い,イオンバランス又は電気伝導率バランスが基準範囲を超える場合は,再分析を行った。3結果の概要(1)調査結果概要月毎の降雨採取期間を表1に,月毎の測定結果を表2に示すに示す。月毎のpHは,4.22~6.10の範囲にあり,年平均値5.00と,酸性雨の目安とされる5.6より低く,依然として酸性雨が観測されている。なお,平成25年度の年平均値は,平成24年度の年平均値4.86及び全国の酸性雨調査結果2)の平均値4.76より高かった。(2)経年変化当調査の調査地点は,平成18年度までは水戸市石川(水戸)としてきたが,平成17年度からの霞ケ浦環境科学センター(土浦)への移転に伴い,平成17-18年度の調査により水戸と土浦の地点間差が小さいことを確認し,平成19年度からは土浦を調査地点としている。pHの推移を図2に示す。平成22年度を極大として平成23-24年度は下降傾向であったが,平成25年度は上昇に転じた。平成24年度までは全国の平均値2)と同様の傾向であり,その値よりも高く推移している。4まとめ茨城県内の降雨のpHは全国の平均値よりは高いものの,酸性雨の目安とされる値(pH 5.6)より低いことから,今後とも動向を注視する必要がある。参考文献1)環境省(2001)湿性沈着モニタリング手引き書(第2版)2)環境省(2014)平成24年度酸性雨調査結果についてhttp://www.env.go.jp/air/acidrain/monitoring/h24/index.html154茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013