ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

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概要

茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)

Ⅵ研究報告・調査報告2-2有害大気汚染物質調査事業1目的大気環境中には多様な発生源からの多種の物質が含まれており,中には継続的に摂取した場合,人の健康を損なうおそれがある有害大気汚染物質がある。大気汚染防止法により県はその汚染状況を把握することとされており,有害大気汚染モニタリング指針に基づき優先的に対策に取り組むべき物質(優先取組物質)について,県民への健康影響を確認する。2調査方法(1)調査期間・地点調査は平成25年4月から平成26年3月までの間に月1回の頻度で,図1に示す県内8地点で実施した。調査地点は,一般環境として水戸石川,日立多賀,土浦保健所,筑西保健所の4地点,固定発生源周辺として神栖消防,神栖下幡木,鹿嶋平井の3地点,幹線道路沿道として土浦中村南の1地点である。(2)調査対象物質優先取組物質全23物質のうち,測定マニュアル1)に定められている21物質を対象とし,その物性により次のとおり区分した。1揮発性有機化合物:ベンゼン,トリクロロエチレン,テトラクロロエチレン,ジクロロメタン,アクリロニトリル,塩化ビニルモノマー,クロロホルム,1,2-ジクロロエタン,1,3-ブタジエン,塩化メチル,トルエン,酸化エチレン2多環芳香族炭化水素:ベンゾ[a]ピレン3アルデヒド類:ホルムアルデヒド,アセトアルデヒド4金属類:水銀及びその化合物,ニッケル化合物,ヒ素及びその化合物,ベリリウム及びその化合物,マンガン及びその化合物,クロム及びその化合物(3)採取方法及び分析方法揮発性有機化合物は真空容器(ステンレス製内面不活性化処理済,6L)に約3.0ml/minの流量で24時間採取した大気を捕集管濃縮-ガスクロマトグラフ質量分析法(GC/MS)で分析した。なお,酸化エチレンは臭化水素コーティングの捕集管に大気を約700ml/minの流量で24時間通気し,捕集剤を溶媒で抽出後,GC/MSで分析した。多環芳香族炭化水素は大気を流量700又は750L/minの流量で24時間吸引し,石英ろ紙上に捕集し,その一部を溶媒で抽出後,蛍光検出器付高速液体クロマトグラフ(HPLC)で分析した。アルデヒド類はオゾン除去能を有する固相カラムの後段にジフェニルヒドラジンを含有する固相カラムを装着し約100ml/minの流量で誘導体化しながら捕集し,後段の固相カラムを溶媒で抽出後,紫外可視検出器付HPLCで分析した。水銀は金コーティングの捕集管に大気を約100ml/minの流量で24時間通気し,捕集管を加熱気化冷原子吸光計に装着し分析した。また,水銀を除く金属類は多環芳香族炭化水素を捕集した石英ろ紙の一部を混酸で分解後,誘導結合プラズマ質量分析計で分析した。3結果の概要県内8地点の調査結果を環境省から発表された平成24年度全国調査の集計結果2)とともに表1に示す。142茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013