ブックタイトル茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
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茨城県霞ケ浦環境科学センター年報 第9号2013(平成25年度)
Ⅵ研究報告・調査報告1-16牛久沼の水質保全に関する調査事業1目的牛久沼は茨城県南部に位置する湖面積3.4 km 2 1),平均水深1 mの浅い湖沼であり,3つの肢節部を有する堰止め湖である(図1参照)。主に谷田川,西谷田川,稲荷川が牛久沼に流入し,小貝川を経て利根川に流出する。農業用水として利用されるほか,古くから漁場として親しまれる湖沼であるが,その水質は昭和50年代後半から悪化した。流域で様々な排出負荷削減対策が行われているが,COD等の項目で水質汚濁に係る環境基準を達成していない。そのため,牛久沼における詳細調査を実施し,汚濁機構解明の基礎資料を得ることを目的とした。2調査方法(1)水質調査?調査期間及び頻度:平成25年4月~平成26年3月,月1回?調査地点:湖内8地点(L1-L8)の上層(水面下50cm)及び下層(湖底上50cm),流入河川4地点(R1-R4)及び流出河川1地点(R5)の表層(図1)?調査項目及び分析方法:CODは過マンガン酸カリウム法,全窒素(TN)及び全りん(TP)はオートアナライザー(BRAN+LUEBBE,AACS-Ⅱ),クロロフィルaは3波長法(2)プランクトン調査?調査期間及び頻度:(1)と同じ?調査地点:湖心(L1)上層?調査項目:植物プランクトンの細胞数及び生体積,動物プランクトンの個体数R3R2西谷田川谷田川R1L3L5L4L2※L1:湖心稲荷川R4R-5L1R5L6L7L8図1牛久沼調査地点図3調査結果及び考察水質調査結果は全地点の平均値を用いた。上層と下層は同様の傾向であったため本報告では上層の結果のみ示す。また,植物プランクトン調査結果は平成23-25年度,動物プランクトン調査結果は平成14-25年度の出現状況を報告する。(1)水質の経年変化(図2)1 COD:湖内上層は7.3 mg/Lで平成20年度並みに低下した。流入河川は4.2 mg/Lであり平成14年度以降で最も低下した。2全窒素:湖内上層は1.6 mg/Lで平成23年度以降は変化が少なく横ばいで推移した。流入河川は2.5 mg/Lで平成15年度以降,濃度が低下する傾向がみられていたが,増加した。3全りん:湖内上層は0.059 mg/Lで平成14年度以降で最も低下した。流入河川は0.060 mg/Lで平成14年以降で最も低下した。4クロロフィルa:湖内上層は53μg/L,流入河川は8.7μg/Lであり,共に平成19年度以降で最も高くなった。(2)平成25年度の水質(図3)過去5年平均値(平成21-25年度)と比較した。1 COD:増減傾向は例年どおりだが,平年並み~低めの月が多かった。2全窒素:増減傾向は例年どおりだが,4月~10月の7ヶ月間は低めで推移した。3全りん:増減傾向は例年とは異なり4月~9月の6ヶ月間は大幅に低めで推移した。10月は高くなったが,以降は例年並みに推移した。126茨城県霞ケ浦環境科学センター年報,No9,2013