ブックタイトル広報おおあらい 2014年12月号 Vol.516

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概要

広報おおあらい 2014年12月号 Vol.516

おおあらい歌壇●勝山一美選青々と育ちしアロエ立ちあがり鉢いっぱいに広がりており新町二区高崎夫左江【評】軒先に置いて、面めんどう倒を見たのであろう。アロエの生長に喜び一杯の作者が見えるようだ。清すがしかる紅もみじ葉深まる五ごりょうかく稜郭ふたつの影の手を取り歩む寺釜九区佐藤よし子【評】「五稜郭」は砦とりので史跡。美事なまでの紅葉の彩いろるど中をゆく二人。倖せをかみしめて。音立てて落葉舞い散る昼ひるさが下り雨とも思ふ窓の向うに新町六区関根秀子【評】枯葉がぱらぱらと音を立てて、雨かと紛まがうばかりに散ってくるのだ。作者は部屋の中で思はず立ち上る。さわやかな海風受くる観音堂婚こん儀ぎに心魅ひかれておりぬ金沢一区古渡節子【評】すがすがしい晴天の日である。すぐ裏手の観音堂での結婚式に作者は思わず心奪われてしまったという。鰯いわしぐも雲空一杯に広がりて日足短し夕餉の支度す永町七区秋山まさ子【評】秋の鰯雲は鰯大漁の兆きざとしされている。穏おだやかに終ろうとする時、作者は次の仕事が待っているというのだ。さはに成なる黄金色の柿の実のわが窓外の明るむまでに桜道猿田彦太郎【評】実力を身につけている作者。手固い詠よみである。「さは」という表現は澤山・多いさま。「成る」は「生る」。流木を労わるごとく岸の辺に寄せてひと夜を留とどめし涸ひぬま沼川永町十六区身内ゆみ【評】涸沼川辺りに住む作者。台風の翌日、流木の多くが岸辺に流れ着いたのだ。作者は慰めの思いで見詰めている。無気力となりし弟を励まさむと干物漁類あれこれ選ぶ祝町十区佐藤毅【評】齢九十三歳の作者。車もしっかりと運転する。きわだって見事とする。私達皆斯かくありたいと願っている。焼いもを店に買いたりわが家にふかして食べし遠き日思う東光台三区大谷義治【評】焼いもと蒸ふかしいも、どちらもそれぞれに味わいがあろう。懐かしんでいる作者が見える。中なかぞら空の月の朧おぼにろ掛るとき秘めゐる想ひ裡うちにふらむケアハウスおあしす清宮しげ【評】おぼろげながらに月が登って来た。作者は遠い昔が懐かしく、恋しく、蘇がえってくるというのだ。鵯ひよの群欠けることなく大鳥の形を保ち青空をゆく新町十区打田照子【評】鵯は、やかましく鳴きながら、空一ぱいに飛びめぐるという。また、大きな鳥を形成して飛ぶともきく。やわらかな秋の日差しに日を増して銀いちょう杏並木は黄こうよう葉を見す寺釜九区三村佳江【評】日毎日毎、秋の深まるとき、穏おだやかな日差しに、銀杏並木は素晴しいいろどりとなって深まってゆく。お台場はいち面紅もみじ葉あざやかに過ぎゆく秋を留とどめおきたし永町六区笹目孝子【評】作者の住んでおられるすぐ裏手はお台場。華かれい麗なまでに紅葉は観かんしょう賞されるのだ。健やかに育ちゆく孫軽けれど抱けばほのかに乳の匂ひす永町六区鬼沢のぶ子【評】孫は無むしょう性に可愛いい。その孫はまだまだ軽い。「ほのかに乳の匂ひす」結句。よく詠まれている。――――――◇――――◇――――――秋の空隈くま無なく晴れて公園の児こらの声々天に届かむ五反田二班勝山一美第一保育所うめ組(5歳児)ぼくとわたしのちびっ子ギャラリー(19)広報おおあらい2014.12.9