ブックタイトル広報 常陸大宮 2014年10月号 No.121
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広報 常陸大宮 2014年10月号 No.121
?????????? ??????????????????????????????????????????今年も、文化庁が主催する新発見考古遺物の国内巡回展「発掘された日本列島」が開催されています。始まってから20年になる今年は、「日本発掘」展と銘打って、日本を代表する遺跡の発掘調査成果と、これまで列島展に出品され高い評価を受けた遺物の展示も行い、20年間の集大成と位置付けた過去最大規模の催しとなっています。東北歴史博物館を経て、9月15日まで東京都江戸東京博物館で開催された後、大阪、長野、福岡を巡回するこの大規模な展示に、弥生時代を代表する考古資料として、かの有名な吉野ヶ里遺跡(特別史跡佐賀県)の出土品の隣に、泉坂下遺跡出土の人面付土器「いずみ」が、市内小野天神前遺跡と那珂市海後遺跡から出土した人面付土器を従えて展示されています。一昨年に引き続き、再び列島展に登場した泉坂下遺跡。なぜ注目されるのでしょう????????????????????????????????????????????????????????????????????????? ?????????????????朝鮮半島に近く、真っ先に稲作文化が伝わった九州北部や、中国・山陰・四国・近畿地方を先進地とし、かんがい?灌?漑?施設を備えた水田や金属器の使用、周囲に堀を巡らせたムラやお墓などの特徴を持つ弥生を代表する文化は、弥生時代中期には利根川以西の南関東まで伝わったとみられています。一方、青森県の津軽平野では灌漑用の水路を伴った弥生時代前期の水田跡が発見され、稲作が徐々に北上したのではなく、早い時期に海路を使っていきなり青森にもたらされ、東北北部地域に広がった様子がわかってきました。それでは、私たちが住む関東北部や、隣接する福島など東北南部の様子はどうだったのでしょう?知りたいですよね。ところがこの地域、遺跡が少ないためにさっぱり様子がわかりません。研究者が頭を悩ますナゾの空白地帯なのです。?????????平成18年1月、鈴木素行氏らによって泉坂下遺跡が発掘され、弥生時代中期の再葬墓から人面付土器をはじめとする貴重な遺物が多数発掘されました。きわめて良好な遺跡の状態から、全国の研究者たちは、当時の米作りの様子や、ムラの状況、他地域との交流や人々の暮らしぶりなどが、泉坂下遺跡の調査によって見えてくる可能性があり、弥生時代の空白を埋める重要な遺跡となるのでは、と大いに注目しているのです。?????????????????????????????????皆さんは弥生時代にどのようなイメージを持っていますか?「米作り文化を持った渡来人が、縄文人を追い払って西日本を中心に作った新しい文化の時代」と思っている方が多いのではないでしょうか。しかし、近年の発掘調査や研究によって、紀元前5世紀頃と考えられてきた弥生時代の始まりを、一気に500年も遡る紀元前10世紀頃とする見解(※)が示されたり、稲作を行わない独自の文化を発展させた北海道や南西諸島の解明が進められたりと、日本列島の弥生時代が、縄文文化を基礎として変化した、きわめて多様な文化に彩られた時代であることがわかってきました。????????????????????????????????????????????????????このような期待を受け、常陸大宮市では泉坂下遺跡の国史跡指定を目指して、一昨年より4年計画で確認調査を実施しています。3年目となる今年は、ちょうど市制施行・合併10周年です。泉坂下遺跡を広く皆さんに知っていただくために、調査の中間報告として企画展を行い、さらには説明会とシンポジウムを開催します。(*詳細は、広報常陸大宮おしらせ版???287に掲載)?????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????遺跡は、手に入れたくても購入することのできない地域固有の財産であり資源です。さあ、泉坂下遺跡をどのように活用したら現代の私たちに有益なものとなるのか、みんなで知恵を出し合いましょう。上手に活用することが、よりよい保存につながり、文化財との望ましい関係を作っていくことになります。????????????52?1450????????????????????21