ブックタイトル茨城県近代美術館/美術館だより No.99

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概要

茨城県近代美術館/美術館だより No.99

展覧会紹介寺田コレクション自然と生命への讃歌茨城県天心記念五浦美術館会期:10月4日[土]~11月30日[日]休館日:月曜日※ただし10月13日(月・祝)、11月3日(月・祝)および11月24日(月・振)は開館、10月14日(火)、11月4日(火)および11月25日(火)は休館開館時間:午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)入場料:一般620(510)円/高大生410(310)円/小中生210(150)円※()内は20名以上の団体料金※満70歳以上の方及び身体障害者手帳、療育手帳等をご持参の方は無料※土曜日は高校生以下無料※11月13日(木)茨城県民の日は無料主催:茨城県天心記念五浦美術館協力:公益財団法人東京オペラシティ文化財団後援:茨城新聞社/朝日新聞水戸総局/毎日新聞水戸支局/読売新聞水戸支局/産経新聞社水戸支局/東京新聞水戸支局/NHK水戸放送局/北茨城市展覧会の概要「山紫水明」や「花鳥風月」といった言葉で表されるように、日本画家は豊かで多彩な表情を見せる自然や動植物を、優美にそして抒情的に描いてきました。一方で、自然に潜む生命感、生きるものへの温かな眼差しと敬慕の念など、日本人が持つアニミズム的な宗教観や自然への共感を秘めた作品も数多く描かれています。東京オペラシティアートギャラリーの寺田コレクションは、美術コレクター寺田小太郎氏が収集し寄贈したもので、中でも日本画は、画家が自然や生命に向き合ってきた多彩な表現、さらに自然に育まれる人間という存在を見つめた作品まで、いわば自然と生命への讃歌といえる内容となっています。昨年度に引き続き寺田コレクションを紹介する本展では、現代の日本画壇を代表する稗田一穂や竹内浩一、西田俊英をはじめ、フジイフランソワ、長沢明といった若手まで80点の作品を通して、日本画家たちの生への様々な想いを紹介します。見どころ本展では20点の屏風が出品されますが、寺田コレクションの特徴の一つに?風作品が多いことが挙げられます。これは、個人コレクションのため大きな作品は?風のように折りたためないと部屋に入らないからという事情もあるそうです。しかし、寺田氏が展覧会場に足を運んだときに?風の迫力に魅せられたことの方が大きいと思われます。西野陽一の「竜宮Ⅰ」「竜宮Ⅱ」は、両方合わせると14メートルを超えるパノラマ作品となります。太陽が降り注ぎ、光で溢れる海の中は多くの珊瑚や魚など生命に満ちています。海の中の光景を描くに留まらず、生命を感じ取り、命のハーモニーを奏でる、まさに讃歌を表現した作品といえます。若手の作品では、長沢明の「On the earthⅡ」は注目の1つです。この動物は作者を含め地球上に生を受けた全てのものであり、自然すなわち地球(earth)に育まれ、命を繋いでいることを象徴する作品となっています。会場では自然の美しさはもとより、生命のたくましさ、そしてその尊さを感じ取ることができるのではないでしょうか。長沢明「On the earthⅡ」平成23(2011)年寺田小太郎氏蔵[天心記念五浦美術館主任学芸員中田智則]松本祐子「雲になる花」平成3(1991)年東京オペラシティアートギャラリー蔵西野陽一「竜宮Ⅰ」平成9(1997)年東京オペラシティアートギャラリー蔵撮影:斉藤新2