ブックタイトル広報 稲敷 2014年9月号 No.114

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概要

広報 稲敷 2014年9月号 No.114

arts and literature稲敷文芸俳句短歌35広報稲敷平成26年9月号携帯に地震警報明易し小林寿恵王(田宿)僧の説法心耳にひびく梅雨の寺増田みきお(羽賀)白鷺の足を汚さず青田波酒井重雄(小羽賀)迎火やおやじの顔と祖母の顔宮本公夫(月出里)紫陽花の色映えて雨降りしきる幸田不死男(荒宿)海の日やキリンと呼ばるクレーン群石井忠(橋向)開け放し明るさ増しぬ夏座敷宮本芳子(切通)夏祭り看板立ちし戸張辻山口須美子(上君山)夕涼を吾が物とする窓一つ岡村敏子(新山)初?もぎのトマトを供え語りかけ福本きみえ(新山)真葛原花をひそめて香を立てり矢口由里子(西町)梅雨さ中財布持たずにバスに乗り根本京子(高田)うどん屋に仏法僧が鳴いている青木啓泰(本宿)万緑の木下に鎌の響きあふ細川悦子(荒宿)抽ひきだし斗の朱印帳古り夏深し山田とみ代(月出里)裏山のそよ風入れて夏座敷野口梅子(神宮寺)梅雨晴間日本海の水平線山崎幸子(浮島)虫捕りの網を掲げて子ら通る松田和美(下馬渡)道端の草まで蛇に見えにけり堀内さわ子(境島)青葦や川面を渡る風の音富元禮子(古渡)蚊帳吊りの太釘残る和室かな大久保晴代(古渡)大学の孫送り来し夏帽子矢崎健一(古渡)すもも採る屋根の上なる九十老鴻野のぶ尾(堀之内)雨に濡れか細く啼いた野良猫は投げられた餌むさぼりて食う雨宮美世志(高田)散策も一人しあれば橋までと陽の照る川に心放てり坂本緑(鳩崎)わが米寿祝いてくるるこの宴に孫と曾孫の笑顔尊し根本冨貴子(田宿)律儀なる人よと思う贈られし手製奥久慈新茶を淹れる根本正直(門前)梅雨明けて日毎伸び立つ向日葵の花咲きそめるまばゆきほどに野沢とよ(羽賀)ふるさとの山はなつかし通学路一里の道はつらき日もありき松本静子(西町)荒畑の草叢背丈追い越してひときわ高く合歓の花咲く山口須美子(上君山)気がつけば子の夏休み始まりて祭にお盆と行事が浮かぶ山本彰治(高田)地球儀を廻し確め見るサッカー戦う若きら国を背負いて財部睦美(光葉)川に添ういつもの道のウォーキング歩を休め見る月見草の花矢崎健一(古渡)うつそうと樹木の茂る苔庭にもじずりの花ひそかに咲けり篠田すい(下太田)笠間にて焼もの作り完成す拙きものの我満足す椎木道代(柴崎)参観日の母の着物の色に似しこぼれ種子より咲ける朝顔宮渕敏江(下太田)仏壇の前に西瓜をどんと置くわが丹精のものと告げつつ川村とみ(堀川)乗客の七、八割はスマホ見て画面すべらす指もせわしく岡野千惠子(伊佐津)制服の胸より風を入れているベンチに並ぶ少女らの夏吉田テル(伊佐津)意のままに動ける身のほど幾許ぞ丹念にけふも花の手入れす諸岡静江(伊佐部)五、六年同じ沼に啼く牛蛙孫か曾孫かそれとも長寿柴崎文子(町田)窓の辺にひとつたゆたふ黒揚羽ばらに止まりぬ妻の忌の朝小泉實(福田)夫の声今も消えざる紫陽花忌あの日の様に雨の降るべし根本邦子(押砂)突き当たる壁に脱皮を重ねつつ老女は高く雲に遊ぶも坂本弥太郎(幸田)蕎麦によし薬味にぞせん入念に青紫蘇きざめば初夏の風立つ諸岡ふじ枝(結佐)「夜が明けた朝が来たよ」と早起きの鴉の声をうとうとと聞く板橋道子(福田)