ブックタイトル広報おおあらい 2014年8月号 Vol.512
- ページ
- 19/20
このページは 広報おおあらい 2014年8月号 Vol.512 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
このページは 広報おおあらい 2014年8月号 Vol.512 の電子ブックに掲載されている19ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。
広報おおあらい 2014年8月号 Vol.512
おおあらい歌壇●勝山一美選街の美化に一ひと役買いし清掃日見返る道のいと清しかり新町六区関根季子〔評〕街の美化運動御苦労様です。一仕事終え振り返って見ると清しいまでの風が吹いているうら山の聳そばたつ樹木の青々と繁れる中に小鳥ら啼なけり新町二区高崎夫左江〔評〕作者の裏山はこんもりと樹が繁っている。春を迎えた小鳥達の声が聴こえてくるというのだ。今朝もまた吾のつくりし母に似にの地蔵を拭ぬぐい手を合せたり新町十区打田照子〔評〕母はは似にの石の地蔵であろうか、作者は朝々手を合せるという。とりわけ手造りともなろうと心を込めてのことなのである。広ごれる青田の中を走りゆく一両電車の中の微そよか風ぜ寺釜九区佐藤よし子〔評〕見渡す限り青々とした田の中に作者の電車は走る。一面爽さわやかな風景。そして車中も快い。気持の出ている作品。戦時下の苦労話も懐かしく命永らえて今の倖しあわせ永町七区秋山まさ子〔評〕戦争中の逆境は大変なものがあった。併し、この平和な世にある現在をよろこびとしている作者松並木下いとどしく涼しくて夏陽を避さけて今日を散歩す寺釜九区三村住江〔評〕「いとどし」は古語。たいへんにしの意。海岸松沿いの路は涼しい散歩路となる。生きている証あかしに在るか今朝もまた腓こむら返りの不意打ちに遭あう永町十六区身内ゆみ〔評〕「腓返り」ふくらはぎの筋肉が突然に痛みに襲われる発作。昔はよく聞いたが、今でも突発的にあるらしい。梅雨寒に冷え症の身を炬こ燵たつにてあれこれ歌語を選よるも愉たのしき祝町一区佐藤毅〔評〕身動き不充分な高齢者にとって炬燵は何にもまして頼もしい。作歌生活の一端が巧みに詠み込まれている。蜂の来て庭木の枝に止りしが飛び去ってゆくどこへ行くのか東光台大谷義治〔評〕気になる一匹の蜂の飛翔。じっと見ていると枝を去って飛び去っていくという作者の視点が見える。寒暖の激しく変るこの日頃照る陽の眩まぶし春の晴天永町六区鬼澤のぶ子〔評〕あつさ寒さも彼岸までというが、気候の移り変りが激しい昨今である。お互い健康な毎日でありたいものだ。梅雨の夜に蟇がまの来たりて玄関に此こ処こは何ど処こかと吾にきくごと金沢古渡節子〔評〕のっそりと表れ出た大きな蟇。ひきがえるという。どこの家庭にもあり得ることと思う。高速を降りし坂道草むらに茅ちがやの綿わた毛げ風になびかう永町六区笹目孝子〔評〕高速沿いの堤に、沢山の茅ちがやが花の穂をなびかせている。実際に見ていないと、その素晴しさはわからない。夏来れば山の緑も濃く淡く彩いろどり映えて夕つ陽となる茨城町清宮しげ〔評〕大自然の美しさは、人工的美の比ではない。作者は常にその彩りに目を見張っているのだ。歌碑前の掃除経をへたる夜の雨心静かに降る音をきく桜道猿田彦太郎〔評〕斉藤茂吉の高弟佐藤佐太郎の碑が東海村海岸に建っている。作者はこの碑を非常に大切にしている。――――――◇――――◇――――――激痛の走りし夜半左ひだりあしだいたいこつ脚大腿骨はや股こ間かん骨折筋肉を裂さきて異物を埋め込むといふ聞きたり体よ許せ見ゆるなきわが体内の金属の支柱撮せるフィルム翳かざす勝山一美ぼくとわたしのちびっ子ギャラリーかもめのなつはわくわくがいっぱいかもめ保育園くじら組(年長児)(19)広報おおあらい2014.8.6