ブックタイトル茨城県近代美術館 美術館だより No.98
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茨城県近代美術館 美術館だより No.98
5「水のシンフォニー」展展覧会紹介クロード・モネ「ポール=ドモワの洞窟」1886年 茨城県近代美術館蔵小川芋銭「水魅戯」大正12(1923)年 茨城県近代美術館蔵野沢二郎「星を結ぶ/花/かなし」平成19(2007)年 作家蔵吉田重信「ヒカリノミチ 09.2.22」平成21(2009)年 作家蔵会 期 : 8月2日[土]~9月28日[日]休館日 : 月曜日 ただし9月15日(月・祝)は開館、翌16日(火)休館開館時間 : 午前9時~午後5時(入場は午後4時30分まで) ※10月1日からは午前9時30分開館入場料 : 一般510(410)円/高大生310(260)円/小中生210(150)円 ※( )内は20名以上の団体料金 ※満70歳以上の方及び身体障害者手帳等をご持参の方は無料 ※学校の夏休み期間を除く土曜日は高校生以下入場無料主 催 : 茨城県天心記念五浦美術館後 援 : 茨城新聞社/朝日新聞水戸総局/毎日新聞水戸支局/ 読売新聞水戸支局/産經新聞水戸支局/東京新聞水戸支局/ NHK水戸放送局/北茨城市見どころ展覧会の概要 展覧会の導入として、平成19(2007)年に五浦の六角堂で開催された「野沢二郎 三つの絵画」展のために野沢二郎が制作し、堂内に展示した「星を結ぶ/花/かなし」を展示します。この作品は、三つの絵画からなる六角形の作品です。 作者はこの作品についてこのように述べています。「『星を結ぶ』は無限に拡がる天空を表現した。星を結ぶのは人の想像力だと思う。『花』は地上における形あるもののシンボルとして描いた。天心は『喜びにつけ悲しみにつけ、花はわれわれの不断の友である』(茶の本)と言っている。『かなし』は、天と地の間に立つ人間、その思いを表した。悲しみの感情が、絵画表現を通して個人を超え、普遍性を得ることができればいいと考えた。古語では『かなし』は『いとし』の意味も持つ。」(「野沢二郎 三つの絵画」展パンフレット 茨城大学五浦美術文化研究所/六角堂・天心邸) この作品は野沢が五浦海岸に日本美術院を移転させ、六角堂から太平洋を眺めながら思索を深めた岡倉天心の思想を汲み取って制作した作品であり、直接的に水を表現した作品ではありませんが展示することとしました。 また、今回はいつもの五浦美術館とは少し趣の異なる映像作品を展示します。吉田重信の「ヒカリノミチ」は海をプリズムを通して撮影した作品で、虹色で表された揺れ動く海の映像は、いつまで見ても見飽きることがありません。本展覧会では、震災前にいわきの海を撮影した「ヒカリノミチ 09.2.22」と、本展覧会のために現在制作中の北茨城の海を撮影した作品を展示いたします。会期中、吉田重信によるワークショップ「虹ヲアツメル」を開催します。詳細は、展覧会チラシやホームページでご案内しますので、ふるってご参加ください。[天心記念五浦美術館 首席学芸員 荒木扶佐子] 生命の営みと深く関わり、変幻自在に姿を変えながら流転し循環を繰り返す水は、古来より芸術家たちの創作意欲をかき立て、作品創造の源となってきました。本展覧会では、茨城県近代美術館の所蔵作品を中心とした「水」にまつわる作品を紹介いたします。 まず、五浦美術館からも見える五浦の海を描いた菱田春草、松尾敏男らの日本画作品をご覧いただき、次いで、小林巣居人、小堀進などによる、豊かな水に恵まれた茨城の風景を描いた作品を紹介します。四季折々、水とともに生きる人々を描いた小川芋銭の作品は、代表作「水魅戯」をはじめ、河童やカワウソなどを主題とした芋銭ならではの優品を展示します。 日本、世界各地の水にまつわる作品を紹介する本展覧会では、横山大観の「瀟湘八景」や、クロード・モネの「ポール=ドモワの洞窟」など洋の東西の名作とともに、野沢二郎の「星を結ぶ/花/かなし」、吉田重信の映像作品「ヒカリノミチ」まで、芸術家たちが創意工夫を重ねて表してきた多様な表現をお楽しみください。茨城県天心記念五浦美術館形なき水に形を、色なき水に色をすい みたわむる