ブックタイトル茨城県近代美術館 美術館だより No.98

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概要

茨城県近代美術館 美術館だより No.98

3茨城県近代美術館「生誕100周年記念 中原淳一展」展覧会紹介暮らしを愉しく、美しく表紙原画(『ひまわり』第5巻第5号) 少女の部屋再現コーナー[実際の展示風景]昭和26(1951)年シンデレラ姫(『ひまわり』第1巻第1号原画)昭和22(1947)年会  期 : 5月17日[土]~7月18日[金]休館日 : 月曜日開館時間 : 午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)入場料 : 一般980(850)円/高大生720(600)円/小中生360(240)円     ※( )内は20名以上の団体料金     ※満70歳以上の方及び障害者手帳等をご持参の方は無料     ※土曜日は高校生以下入場無料主  催 : 茨城県近代美術館/朝日新聞社監修・協力 : ひまわりや後  援 : 茨城新聞社/株式会社茨城放送/NHK水戸放送局見どころ展覧会の概要 夢見るような大きな瞳の少女が表紙を飾る雑誌をめくると、ギャザーをたっぷり寄せてふんわりさせたスカートなどのかわいらしい洋服やスタイリッシュなコーディネートが目に飛び込んできます。戦後間もない頃から中原が次々と世に送り出した雑誌やスタイルブックを見て、どれほどの女性たちが胸をときめかせたことでしょう。本展では、初公開となる雑誌『ひまわり』の表紙絵3点を含め、少女たちを魅了したイラストの原画が多数展示されます。これらの原画からは、線の一本一本をおろそかにしない繊細なタッチや、水彩によるセンスのよい色使いなど、中原の仕事に対する情熱や真摯な姿勢を間近に感じることができるでしょう。また、会場内には中原が『ひまわり』の中で提案した三畳間の少女の部屋の再現コーナーや、中原の絵をもとに丸山敬太氏がデザインした華やかなドレスなどが展示され、中原の作品と共に目を楽しませてくれます。 中原が主に活躍したのは昭和20~40年代にかけてですが、物資のない時代に中原が提案した、誰でも簡単にできる“エコ”で“かわいい”おしゃれの工夫は、節約を楽しみながらシンプルに暮らすことが見直されつつある現代のライフスタイルにも通じています。この貴重な機会に、少女たちが内面から美しく賢くあってほしいと願い続けた彼のメッセージを受け止めながら、乙女心をくすぐる中原淳一の世界を存分にお楽しみください。[近代美術館 主任学芸員 稲葉睦子] 戦前から戦後にかけて、多くの人がおしゃれとは無縁の生活を強いられた時代に、自宅で作れるかわいい洋服や、自分で結える髪型などを雑誌で紹介し、瞬く間に少女たちの人気を博した人がいました。それが挿絵画家、ファッションデザイナーなどとして活躍した中原淳一(1913-1983)です。中原は、戦前は雑誌『少女の友』の挿絵や表紙絵を描き、戦後は雑誌『それいゆ』『ひまわり』『ジュニアそれいゆ』を創刊。ものを大切にし、生活の中で様々な工夫をすることから美しい暮らしが生まれることを説き、誰もが実践できる楽しいアイディアを提案しました。 生誕100年を記念する大回顧展となった本展では、雑誌や付録、表紙絵等の原画、創作人形等348件を、ファッション、インテリアといったテーマ別に展示し、どのような状況でも「美しく生きること」の大切さを伝え続けた中原淳一の真髄に迫ります。た