ブックタイトル広報 稲敷 2014年7月号 No.112

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概要

広報 稲敷 2014年7月号 No.112

葭切の初音を乗せて沼の風      小林寿恵王(田宿)鯉幟雲呑み込んで空青し       宮本公夫(月出里)遠山はラクダの姿夏に入る      増田みきお(羽賀)薄衣の胸ふくよかに母となる(曾孫誕生) 酒井重雄(小羽賀)いとまなく雨の鶯山の庵       篠田邑草(新山)白鷺の番の遊ぶ畦を刈る       山口須美子(上君山)垣手入れ千の鈴振る花あしび     矢口由里子(西町)里に住み心安さよ紅かなめ      代静(犬塚)忠敬の手甲脚紳夕薄暑        石井忠(橋向)花桃の里華やぎて静かなり      宮本芳子(切通)切通し一直線に初燕         青木啓泰(本宿)万緑に酔う長旅も余力あり      福本きみえ(新山)著莪の咲く寺の小陰に水琴窟     山田とみ代(月出里)ロープウェー翠の中に吸はれけり   細川悦子(荒宿)一八や藁葺き小屋の傾ける      幸田不死男(荒宿)牡丹や母の譲りの着物かな      野口梅子(神宮寺)母の日や百歳目指す母の居て     山崎幸子(浮島)夏来る猫の足あと続きおり      松田和美(下馬渡)白雲を映して広き水田かな      富元禮子(古渡)何の彼の言いつつ父子してビール   小貫和子(浮島)杜若池の畔を明るうし       大久保晴代(古渡)この庭を守り続けて柿若葉      矢崎健一(古渡)薫風や圈央道は千葉へ伸び      鴻野のぶ尾(堀之内)友の死に病名問えば老衰とさりげなく言う言葉が哀し         雨宮美世志( 高田)四ヶ月あけし狭庭は春最中 つつじ・アザレアーチューリップ咲き   坂本緑( 鳰崎)会合も一つ一つが最終となりて友との緑も遠のく           根本冨貴子(田宿)孫らより卆寿祝いに贈られしパジャマ着て寝る寝付きよろしも     根本正直( 門前)鉢植えの活き活きとせるカーネーション娘より届きぬ母の日今日は   野沢とよ( 羽賀)葉桜に足とめ見上ぐる大もなく並木に静かな時間の流る        財部睦美( 光葉)絵画展来客多き人の中幼き頃の友の顔しる              松本静子( 西町)水張りし植田の早苗青青と燕飛び交う稲敷の五月           山口須美子(上君山)囀りと言う目覚しに昨夕のこだわりも消え爽やかな日に        矢崎健一( 古渡)花を咲かせひとり忙しく楽しむも祖に供えれば安らぎのあり      篠田すい(下太田)一瞬も止まることなく過ぎてゆく刻の流れは無情なまでに       椎木道代( 柴崎)孫らの彈くピアノの音の聞えきて我の厨の朝を彩る          宮渕敏江(下太田)朝立てし支柱の昼にはからみつくへちまのつるの生命の強さよ     岡野千惠子( 伊佐津)ゆったりと風呂に浸れば早苗田の蛙うたうよねんねんころり      川村とみ( 堀川)廣らなる稲田をよぎり穏やかに澄みて流るゝ小野川の水は       吉田テル( 伊佐津)老い桜春を忘れず咲き満ちぬ青葉の風に枝そよがせて         諸岡静江( 伊佐部)目の開かぬ赤子ながらもたくましく大器晩成大き声に泣く       坂本弥太郎( 幸田)目まいする耳鳴りもする休めども癒えざるままに庭の草取る      柴崎文子( 町田)つれづれに夫の好みし羊羹をひと口食めば憶い出尽きず        根本邦子( 押砂)風吹けばさやぎの音のものがなし今際の時に笹は花咲く        諸岡ふじ枝( 結佐)逢ふたびに語彙ふやしゆく女童のけふは黄蝶を髪に飾れり       小泉實( 福田)道の端に枝垂れ桜の楚々と咲く逢えてよかつた今年も逢えた      吉田多嘉子( 伊佐部)