ブックタイトル広報 稲敷 2014年6月号 No.111

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概要

広報 稲敷 2014年6月号 No.111

arts and literature 稲敷文芸俳句短歌27 広報稲敷 平成26年 6月号学舎は文化財なり花浴びて 小林寿恵王(田宿)七代の江戸崎城主たどる春 篠田邑草(新山)まなかいは白木蓮の空となり 宮本公夫(月出里)百年の何百万の花吹雪 増田みきお(羽賀)長寿会様と呼ばれて花の宿 酒井重雄(小羽賀)卒園児すきまだらけの歯が笑ふ 矢口由里子(西町)春塵やトンビ巴に舞ふ川原 石井忠(橋向)子授けの薬師詣でや花は葉に 山口須美子(上君山)濡れ舗道モザイクのごと散る桜 宮本芳子(切通)嬉しさに立ち止まりけり花吹雪 岡村敏子(新山)大仏の四辺を囲み花満開 福本きみえ(新山)着飾って女ばかりの花遊山 代静(犬塚)はき物のきちんと揃いシクラメン 川崎典雄(鳩崎)昨日脱ぎ今日重ね着し春さ中 根本京子(高田)石畳春の影をく神楽坂 細川悦子(荒宿)利根川や菜の花堤どこまでも 堀内さわ子(境島)空っぽのバスが新緑抜けてゆく 根本静江(阿波)ランドセル重くため息入学児 高柳ゆき子(古渡)菊根分け母の仕草を懐かしむ 坂本きよ子(下馬渡)うららかや郵便局へ遠回り 埜口信子(阿波)リラの花咲けば思わる異邦人 飯嶋伊津子(阿波)押し車止めて一服花の下 根本ナカ(神宮寺)夏場所へ浮島道場声高し 高須湖城(浮島)飢餓に耐え飽食の世に永らいて九十四回さくらに出逢う 雨宮美世志(高田)いついつと待たれながらに咲く桜華燭なる春を名残なく散る 坂本緑(鳩崎)しなければならない事も後に回し田に動く君を日がな目で追う 根本冨貴子(田宿)忘れずに 娘こ より祝いの電話ありきよう九十三の我が誕生日 根本正直(門前)七十四歳夫の誕生日よく晴れて二人で祝うホテルのランチ 財部睦美(光葉)新しきランドセル背負い小一の男の曾孫頼もしかりき 野沢とよ(羽賀)夜半覚めて明日の仕事を練り直す老いても忙し日々の暮らしか 松本静子(西町)消費税増税前の行列をテレビが煽る消費者心理を 山口須美子(上君山)はじめてのランドセル背負うその中は不安と期待と未来の夢と 山本彰治(高田)終ついの時悟りて居たか弟は一部始終語りて涙流せり 篠田すい(下太田)今日も又歌を忘れたカナリヤは唯たゞ黙々と家事にいそしむ 椎木道代(柴崎)朝あさかげ 光は移ろひゆけり冬木々の眠りをさます暖色淡し 吉田テル(伊佐津)菜園もこんな時代と言いながら夫の手借りて鳥獣避けをはる 宮渕敏江(下太田)思い切りはさみかざして威嚇するザリガニ我につまみ上げられ 岡野千惠子(伊佐津)あわたゞしきひとひは暮れて水張田に映る灯あかり穏やかなりし 川村とみ(堀川)保育所のベル聞こえ来る夕映えの沼置き去りに雁帰りゆく 矢崎健一(古渡)己が身の花粉症など言挙げず老いをきづかう介護士君はも 山本授子(犬塚)携帯の待受画面はふたりして最後に見上げし満開の桜 根本邦子(押砂)忘れられ吊られたるまま金属の刺すやうな音冬の風鈴 小泉實(福田)リハビリに川土手行けばひと本の黄水仙に逢う「どこから来たの」 柴崎文子(町田)諍いて燃やし尽くせぬ公開を曳きずりてゆくながき黄昏 諸岡ふじ枝(結佐)陽のあたる朝の坂道竹の葉がきりきり舞ひてわが肩に降る 板橋道子(福田)十五歳予科練に行きし級友の顔ありありと浮かぶわれ米寿 坂本弥太郎(幸田)昼近き川面に春の陽は満ちて波のきらめき宝石のごとく 諸岡静江(伊佐部)