ブックタイトル桜川市勢要覧2014
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桜川市勢要覧2014
市内の小学校で行われた食育教室の様子。地元産の「ユメシホウ」を使用し、生徒たちが自らの手で作ったピザや「ひっつみ汁」を食べて、楽しく地産地消について学習しました。市民祭での「ユメシホウ」関連商品の販売の様子。焼きたての焼きそばをふるまったり、スイーツコンテストを開いたりと、さまざまなアイディアを駆使して認知度の向上をはかっています。地域の特性を活かした農業、商工業、観光などの産業が、社会や経済環境の変化に柔軟に対応し、高い競争力が発揮できる施策を展開していきます。また、北関東自動車道の整備に伴い、企業誘致および新産業の育成を図ります。地域の資源を活かした多様な産業が息づき、地域内における経済循環が活発な「自立」するまちづくりを目指します。自立逞たくしまく発展する創造の交響曲魅力と活力のある産業社会づくり桜川市で試験栽培が行われた小麦「ユメシホウ」は、モチモチとした食感と、グルテンの含有量が多く、製パンに最適な小麦と言われています。しかし、どんなに素晴らしいものでも普及しないことには意味がありません。ここに注目したのが、市内に住む主婦たち。地元で生まれた小麦「ユメシホウ」を普及させることで、地域おこしにつなげていこうと新規作物研究会を作り「ユメシホウ」の小麦粉の生産と販売を始めました。新規作物研究会のメンバーは15人。地元産の小麦粉でパンを作るという夢が四方に広がることと、桜川市が、紫峰と呼ばれる筑波山麓に位置することから、「ゆめ紫峰」という文字をあてて独自ブランドの加工品開発も行っています。本来はパン用小麦ですが、当初パン屋さんが市内になかったので、真壁高校にパンの製造許可を取ってもらい、パンの製造を依頼したそうです。代表の深ふか谷やみさほさんによると、「ユメシホウ」はパン以外にも適しているそうで、メンバーの経営するお店でうどんや、饅まんじゅう頭、ドーナッツ、カステラ、スコーンなど市内を中心に販売しています。新規作物研究会として承認した商品には、オリジナルブランド「ゆめ紫峰」のラベルを貼ってアピールしているそうです。また、真壁のひなまつりや桜まつりには、新規作物研究会として出店しています。パン焼き器を使って家庭でおいしいパンを食べてもらおうと「ユメシホウ」の小麦粉の販売を行うほか、メンバーが作った加工品の販売や、地元うどん業者の協力で開発した「ユメシホウ」100%の焼きそばの試食なども行っています。市民祭では地元商工会の協力を得て、商工会主催の「ユメシホウ」スイーツコンテストを開催。入賞した市内のお店では「ユメシホウ」を使ったお菓子の販売が既に始まっています。会の地道な活動の成果もあって、一定の認知を得てきた「ユメシホウ」ですが、自身が生産者でもある深谷さんによると、まだ課題は多いといいます。「生産者が不足しているのが現状です。栽培生産体系がまだ整っていないので、関係機関に働きかけ、安心して栽培できる環境づくりをしていきたい。また、需要を伸ばすためにも、学校給食や地元のイベントなどに使用されることを期待しています。」。こうした地産地消の試みが、地域経済を足あし許もとから活性化し、地域への愛着をも高めていくのです。市民祭の「反省会」に集まった新規作物研究会のメンバーうどん、パン、饅頭など多彩な開発商品群開発と販売で「ユメシホウ」の普及を【新規作物研究会】Column小麦は、世界で最も多く作られている農産物です。しかし、日本は輸入に依存しているため、国産の小麦は国内で消費される小麦の15%程度しかありません。パン用の小麦に至ってはわずか1%です。性質により小麦粉は、天ぷらや菓子類に適した薄力粉、お好み焼きやうどんなどに用いられる中力粉、パンや中華麺に向く強力粉に分けられます。このうち、県内では強力粉は生産されていませんでした。飯島正義さんが長年作ってきたのは、農林61号という中力粉の小麦です。苦労して作っても背が高いため倒伏しやすく、収穫量が減ってしまうといった悩みを抱えていました。そんな時に、以前相談のために訪れたことのあるつくば市の作物研究所から、従来の課題を克服した新しい小麦について試験栽培をしてほしいという依頼がありました。平成20年のことです。飯島さんは好奇心も手伝い、試行錯誤のうえ生産に取り組んだところ、タンパク質含有量13.5~14.0%という驚異的な結果を出すことができました。県の奨励品種の「ユメカオリ」でも11%程度しか出ませんので、県の担当者からどうしたらそのような結果が出せるのかという問合せが来るほど。新聞などでも紹介され、大手製粉会社も興味を示してくれました。これが「ユメシホウ」です。現在は、米よりパンの方が多く消費される時代です。旨み成分の素グルテンが豊富で、背丈が低いことから倒伏しにくく収穫量も多い、製パンに適した小麦「ユメシホウ」は生産者にとってはまさに夢の広がる作物。JAも契約栽培に乗り出してくれましたので、これからは、多くの方が生産に取り組むようになるでしょう。「家族と苦楽を共にしながら、農業に従事できる事が本当に幸せです。関係者の皆様のご協力の賜物だと思います。」と語る飯島さん。夫妻の笑顔がたいへん印象的でした。桜川市産小麦「ユメシホウ」で夢を広げる飯いい島じま正まさ義よしさん小麦農家Profile昭和11年桜川市生まれ。肉用牛の肥育、水稲転作物で初の大豆試作、集団転作の元祖として農水大臣に公述。最近では太陽光発電設備を導入するなど、常に先端技術を取り入れています。農林水産省の視察団に栽培法を説明する飯島さん技わざ人びと10File初夏の季節、大和地区に広がる「ユメシホウ」の畑。収穫の時期には辺り一面が黄金色に染まります。Sakuragawa City Guide 201427自立逞しく発展する創造の交響曲