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概要

桜川市勢要覧2014

桜川市の歴史に触れることができる資料館。真壁の町並みとそのルーツである真壁城、そしてこの地にあった真壁陣屋を中心とした歴史の紹介(常設展示)のほか、企画展示も随時開設しています。真壁伝承館に併設されている図書館。白を基調とした明るくモダンな空間で、一般書籍・絵本・児童書のほか、希少な郷土資料も充実しています。どなたでも気軽に利用することができます。中庭に面した壁面に、不規則に設置されたたくさんの窓や穴がとてもユニーク。それらに明かりが灯って輝く、日暮れ時の風情は必見です。地域が一体となり、次代を担う子どもたちの「生きる力」を育み、特色ある教育の充実に努めます。市民の多様な学習・創作活動を支援し、子どもからお年寄りまで、だれもが学べるよう、生涯学習環境を整備します。地域づくりを担うあらゆる世代の人々が、健やかな体と豊かな心を「育成」するまちづくりを目指します。育成未来へ奏でる育みの交響曲豊かな心と生きがいを育む教育・文化環境づくり江戸期に人気を博した白井座を復活【人形浄瑠璃真ま壁かべ白しら井い座ざ】Column三味線の伴奏と独特な節回しで語る浄瑠璃に、人形芝居が合体したものが人形浄瑠璃です。江戸時代の初期に誕生し、一時期は歌舞伎の人気をしのぐほどでした。江戸後期には、旧白井村(現在の桜川市真壁町白井)でも、若者たちが白井座(白居座または白栄座ともいう)という人形浄瑠璃をはじめ、祭礼などで上演するようになります。1810(文化7)年に、笠間藩の藩政改革によって上演が差し止められたこともありますが、村人たちが上演の要望書を出すほど人気が高く、1820(文政3)年に弁天祭での上演が許されました。その後も近在で興業は続けられてきましたが、徐々に衰退し1920(大正9)年の樺穂小学校の新築記念上演が最後となりました。文化庁から平成13年に文化事業に関する助成があった際に、有志による「人形浄瑠璃真壁白井座準備会」が発足。翌平成14年には座員の募集が行われ、約30人の方が集まってきたそうです。そして平成15年に「真壁白井座」が結成され、80年ぶりに人形浄瑠璃が復活することになりました。19世紀には県内のほかの地域でも人形浄瑠璃は行われていましたが、現在復活・活動しているのは真壁白井座だけです。人形浄瑠璃は、人形(1体につき3人)、三味線、義太夫(語り)という組合せで上演します。人形浄瑠璃を上演する保存会はたくさんありますが、真壁白井座のようにすべての担当を養成して演じているところは珍しいですよと座長の青あお木き秀ひで史ふみさん。三味線や義太夫だけはプロにお願いしているところも多いそうです。青木さんは知人に文楽の関係者がいたことから人形浄瑠璃については以前から知っていたそうで、座員募集を聞いて義太夫として参加しました。真壁白井座では担当別に、必要に応じて不定期ながらプロの指導を受けています。もっと上達したいと、個人的に師匠に入門し稽古をつけてもらう熱心な方も多いそうです。座員数は現在15人で、5つの演目を上演しています。もっと演目数は増やしていきたいそうですが、人形遣いが10人なので、最大で3体しか人形が出せません。演目を増やすうえでも、座員を増やしたいと青木さんは言います。公演は年1回の定期公演のほか、数回は県内各地に出張します。固定的なファンも増えているそうです。人形、三味線、義太夫をすべて一座で対応できる真壁白井座は、地域をアピールする文化資産として誇れるものです。「第5回伝統民俗芸能のつどい」での公演「真壁白井座第7回定期公演」の模様既存の歴史的な町並みに調和するよう配慮された外観多目的複合施設として、平成23年9月に開館したのが「真壁伝承館」です。旧真壁中央公民館の老朽化に伴い建設されました。歴史的建造物が立ち並ぶ地域の景観に配慮した外観は、地域の新たなシンボルとして親しまれています。「私たちは実際にまちの伝統的な建物をサンプリングして実測するところから設計を始めました。伝承館の外形は、真壁の複数の建物の外形の組み合わせで出来ているんです。」と、設計者である渡わた辺なべ真まこと理さんは語っています。とは言え、この建物は歴史的な建物の単なる模造品ではありません。21世紀ならではの先進的な材料や構法が用いられているのです。また、真壁伝承館はかつて真壁陣屋のあった場所にあり、建設に先立つ調査では陣屋を囲んでいた池や堀の跡が発見されました。多数の遺物も出土し、当時の様相を知る成果を上げています。こうしたことから、文化庁と協議し遺跡の保護に配慮した工法などを採用。館内にある歴史資料館では、出土物を展示するとともに、真壁伝承館の敷地全体で遺跡の遺構表示を行う工夫をしています。施設は鋼板パネル付鉄骨ラーメン構造2階建てで、敷地面積約5,500m2、延床面積は約2,743m2。館内には300人収容のまかべホール、蔵書数2万冊の真壁図書館、音楽スタジオ、会議室、創作室などがあり、さらに真壁中央公園も併設されていて開館以来多くの市民が利用してきました。市民の交流スペースとしての役割を担う真壁伝承館は、優れた設計思想からこれまでに建築やデザインの賞を8つ受賞しています。2012日本建築学会賞作品賞、平成24年日本建築士会連合会賞優秀賞、2012グッドデザイン賞、平成25年度まちづくり功労者国土交通大臣表彰、平成25年第54回BCS賞などです。特に2012日本建築学会賞作品賞は、昭和18年に創設された国内で最も権威のある建築・建設分野の賞で、「極めて質の高い建築空間の創造に成功している。」と、地域の建物や景観を調査し市民とともに設計に組み込む手法が評価されました。これからも、さまざまな市民活動の拠点として期待される真壁伝承館は、多くの人々に親しまれていくことでしょう。真壁伝承館No.4TOPICS歴史を伝える市民の交流拠点Sakuragawa City Guide 201417育成未来へ奏でる育みの交響曲