ブックタイトル桜川市勢要覧2014
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桜川市勢要覧2014
昭和2年に建てられた旧真壁郵便局は、真壁町の中心部に位置し、戦前・戦後を通してランドマークとして親しまれてきました。平成11年、真壁における国の登録有形文化財第一号となった潮田家住宅。潮田家は江戸末期に呉服や荒物、雑貨などの商いを始め、財をなしました。見世蔵などの建物は明治時代に造られました。自治活動の支援や、市民参画による行政運営を推進し、地域の特性や市民ニーズを踏まえた多様な地域づくりに対応できるよう、市民と行政が協働で地域を運営し、効率的な行政を推進する「自治」のまちを目指します。また、情報を積極的に市民に提供し、健全で透明性の高い行政運営のために、行財政改革に努めていきます。歴史と人情が絡みあう一大イベント【真壁のひなまつり】Column自治市民と行政が奏でる交響曲市民と行政による豊かな地域の自治づくり真壁地区には現在も江戸時代の町割りが残り、隆盛を誇った明治・大正期の歴史的建造物を数多く見ることができます。平成3年には、真壁の町並みをテーマに小山工業高等専門学校の河かわ東とう先生が企画展を開催。これを契機に以前から町おこしに取り組んでいた青年会議所のメンバーや市民の間でも、歴史的町並みをテーマにしたまちづくりの機運が高まっていきました。また、当時は地域の歴史に関する資料は少なく、有志が独自に真壁の歴史を調べていきました。この時の資料は教育委員会の後押しを受けてまとめられ、歴史の副読本として市内の小中学校にも配付されています。見世蔵や土蔵などの歴史的な建造物が残されている真壁地区。この町並みを保存し、後世に伝えていこうと「ディスカバーまかべ」が活動を始めたのが平成5年のことです。これまでに取り組んできたのは、同様のまちづくりをしている先進地の視察、「かわら版」や「イラストマップ」の作成、「案内看板」の設置、「町並みフォトコンテスト」「シンポジウム」、歴史的建造物での「コンサート」「落語会」の開催、旧郵便局活用についての行政への提言などです。「歴史的建造物を後世に伝えると言っても地元では当たり前の景観すぎて、当初は活動については理解してもらえませんでした。予算もなく苦労は多かったですね。しかし、地道に続けてきたことで、市や商工会も協力してくれるようになりました。」と会長の吾妻周一さん。登録文化財制度の活用について、小山工業高等専門学校の河東先生にお願いして市に進言。当時は登録文化財の数が日本で最も多く、やがて重要伝統的建造物群保存地区にも選定されました。真壁地区は歴史的建造物に加えて、背景には筑波山や加波山が望めます。単に保存するというだけでなく、このような景観を活かして、独自のまちづくりをしたいと吾妻会長は語ります。Profile昭和28年桜川市生まれ。吾妻歯科医院院長。平成5年、真壁地区の歴史的な町並みを保存することを目的とした「ディスカバーまかべ」を設立し、まちづくりに貢献してきました。平成25年、新装された旧真壁郵便局でのコンサート歴史的町並みを後世に伝えたい会長吾あ妻づま周しゅういち一さんディスカバーまかべ技わざ人びと1File城下町だった真壁地区には、古い街並みがたくさん残っています。町を囲む山並みとマッチした景観は、以前から密かな撮影スポットとなっていました。地元ボランティアの取り組みなどにより、町に訪れてくれる人が少しずつ増えてきました。ある地元の方は、冬の寒い日にカメラ片手に町を散策されている人を見かけるたびに「寒い中来てくれた人をもてなしたい。」と思ったそうです。そこで「寒い中来てくれた人に、何かおもてなしはできないだろうか?またこの町に来たいと思ってもらえるような良い案はないだろうか?」と町を良く知る知人に相談を持ちかけ、数人が集まりました。話し合いの中で「東北の方に行った帰り道、交差点の片隅に『おひなさまのふるさと、各家々にひな人形展示中』との看板を見たが、真壁の家々でもひな人形を道路から見える所に飾ってお客様をお迎えすれば喜んでもらえるのではないか。」という提案があり実行することになりました。最初は5軒でも、10軒でも飾っていただける家があれば、真壁のひなまつりと謳えるのではないかという思いからスタートした行事でした。まずは話し合いをした数人で、古い民家を一軒一軒訪ね、ひな人形を飾ってくれるように交渉しました。老夫婦しか住んでいない家も多く、ひな人形を飾るのも一苦労でした。皆で古い蔵から人形を引っ張り出して飾ったそうです。それを見かけた近所の人たちから、何をしているのか尋ねられ事情を話すと、地元を良くしたいと願う者同士、すぐに事情を理解してくれ、自発的に飾ってくれたり他の方に声をかけてくれたりしたそうです。こうした人の輪が広がることで徐々に協力者が集まり、平成15年、最初の「真壁のひなまつり」が行われました。21軒でのスタートとなりました。当初は「真壁の町中に町外の人が100人も来たら驚くよね。」といった具合でお客さんが来てくれるか半信半疑だったそうです。しかし、口コミで知名度も上がり、多くのマスコミにも取り上げられました。徐々に来客数も増え、「真壁にこんなに人が歩いているのを見たことがない」と地元の人もびっくりしたほどでした。人形を飾ってくれる家も日増しに増えて、まつりが終わる頃には40軒ほどになっていました。今では展示軒数が160軒を超え、会期中10万余人以上が訪れる一大イベントとなりました。「もともと市民の自主的な活動から始まったイベントです。ひな飾りをしてくれる家々がいつまでも自由に光り輝く事が一番大切。」と、立ち上げに参加した有志は語ります。市民の協力とおもてなしの心で「真壁のひなまつり」は開催されているのです。歴史的な建造物に飾られたひな人形各家が工夫をこらした展示を行っています。「真壁のひなまつり」の期間中、多くの人出で賑わう真壁地区。バリエーション豊かなひな人形の数々はもちろん、歴史的な建造物が立ち並ぶ町並みそのものが大きな見所となっています。Sakuragawa City Guide 20149自治市民と行政が奏でる交響曲