ブックタイトル広報つちうら 2014年5月上旬号 No.1122
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広報つちうら 2014年5月上旬号 No.1122
15広報つちうら2014.5.1つかりました。銀帯状金具は銀の薄板の全面に唐草文などが透かし彫りされています。法隆寺の救ぐぜかんのん世観音などの仏像に伴う宝冠飾りや冠帯によく似ています。刀類には、飾りの付いた銀ぎんそうけいとうのたち装圭頭大刀と銅どうそうさんるいかんとうの装三累環頭大た刀ちが優美な姿を留めています。武者塚古墳は、上坂田にある古墳時代終わり頃の古墳です。この古墳から出土した副葬品など147点が、このたび国の文化審議会より、重要文化財に指定するよう文部科学大臣に対して答申されました。国指定重要文化財は、土浦市では10件目(ほかに国宝が1件)、考古資料での指定は初めてになります。武者塚古墳は、旧新治村の村史編さん事業の一環として昭和58(1983)年に発掘調査が行なわれました。墳丘はすでに削平されており、調査で確認された周溝から径23mの円墳と推定されています。埋葬施設は地下に構築された石室で、遺体を納める玄げんしつ室と、副葬品を納める前室からなります。玄室からは6体の遺体と玉類および遺体を覆っていた経たてにしき錦などの残欠が出土しました。3体の遺体には頭髪が残存しており、そのうちの1体には頭髪が結われた状態で見つかりました。「美みずら豆良」と呼ばれる古代人特有の髪型で、発見当時大きな話題となりました。一方、前室には銀ぎんおびじょうかなぐ帯状金具や大刀、鉄製の柄の付いた銅製の杓しゃくなどが見発掘調査まで石室が一度も開けられてこなかったため、遺物が良好な状況で、しかも埋葬当時の位置を保ったまま発掘されたことも武者塚古墳の大きな特徴です。古墳時代終わり頃の葬送儀礼の一端を復元するうえで、その学術的価値がきわめて高いことが評価されました。茨城県全体でも考古資料の重要文化財指定は、武者塚古墳出土品が3件目です。現在、東京国立博物館で展示しているため国に貸出中ですが、この秋にはお披露目の展覧会を上高津貝塚ふるさと歴史の広場で開催する予定です。これからも、地域の貴重な文化遺産として保存を図るとともに、展示その他の活用に努めてまいります。問上高津貝塚ふるさと歴史の広場(?826・7111)武者塚古墳出土品が重要文化財になります15広報つちうら2014.5.1▲上から鉄柄銅杓、銅装三累環頭大刀、銀装圭頭大刀、銀帯状金具、左記の出土品が重要文化財に指定されます。茨城県武者塚古墳出土品一、銀帯状金具一枚一、銀装圭頭大刀一口一、銅装三累環頭大刀一口一、鉄柄銅杓一口一、鉄製品四十五点一、石製品十七点一、ガラス小玉七十九点附一、経錦残欠一括一、美豆良残欠一点▲武者塚古墳展示施設覆屋