ブックタイトル茨城県博物館協会 NEWS No.39
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茨城県博物館協会 NEWS No.39
随想「常陸国風土記1300年」展を振り返って平成25年8月24日から12月1日まで,茨城県立歴史館の2階ギャラリーにおいて「常陸国風土記1300年」展を実施しました。極端な言い方をすると,『常陸国風土記』は漢字ばかりが七千余並ぶ資料です。その資料を「興味関心をお持ちの方の期待に応えるのは勿論,風土記に初めて触れる方にも何かを感じていただくにはどう展示するか」が我々の課題でした。多くのスタッフと打合せを重ね,「見開き2ページ分だけではなく全部をお見せしたい」,「原文のすぐ近くに現代語訳が欲しい」,「当時の生活感溢れる展示物を展示したい」等が目標として設定され,その具現化に向け奔走しました。その結果,風土記の内容全てを繋いだ長尺レプリカの展示や,東海道(当時の東海道諸国を結ぶ官道)の断面剥ぎ取り資料の一挙公開,複数回の関連講座等の実施など,新しい手法を取り入れた展示にチャレンジすることができました。期間中に版木を寄託いただくなど反響も大きく,続編の展示も実施することができました。多くの協力者に感謝申し上げます。(茨城県立歴史館)歴史館(展示の様子)『常陸国風土記』1300年記念事業イベントについて2013年は,風土記勅撰の詔が出されて1300年となる記念の年でしたので,茨城県及び県内各市町村では,記念事業として多くの展覧会や講演会,そしてイベントが開催されました。『常陸国風土記』は,学術的な価値はもちろん,現在の茨城県の秘めた底力を紹介する内容が盛り込まれています。当時の各郡単位で記載される地名の由来,土地の状況,得られる産物,特徴的な産業,風光明媚な場所,古代人が憩い楽しむ情景などは,現在まで引き継がれる茨城県の魅力です。県内各地で,こうした地域の魅力を紹介する記念事業が催される中,当館でも特別展「理想郷と呼ばれた常陸の国―古代茨城の魅力と実力―」を開催し,風土記ゆかりの地を巡る「風土記ツアー」の実施,風土記に登場する茨城の食材を使用した「風土記弁当」の開発などを企画・実施し,多くの方々でにぎわうことができました。博物館は,地域情報を発信する重要な拠点です。今後も地域を知ることから地域が活性化する流れを定着させるため茨城県博物館協会の加盟館として努力していきたいと思います。(かすみがうら市郷土資料館)かすみがうら市郷土資料館(イベントの様子)編集後記平成25年度より,ミュージアムパーク茨城県自然博物館から茨城県近代美術館に事務局が交代し,初年度を終えようとしています。茨城県では本年度,「常陸風土記1300年記念事業」と「天心・波山記念事業」という大きな2本の芸術文化事業を開催しました。茨城県博物館協会の多くの加盟館園施設が展示やイベント等でこれらの事業に関わりました。これらの実行委員会などの集まりを通して館園相互の協力体制が構築されたことはもっとも大きな収穫であり,今後の連携に活きてくることと思います。また,本誌編集にあたりまして,会員の皆さまにはご多忙の中快くご寄稿いただきましたことを,誌面をお借りして心より御礼申し上げます。茨城県博物館協会ニュースNo.39編集・発行茨城県博物館協会〒310-0851水戸市千波町東久保666-1茨城県近代美術館TEL 029-243-5111FAX 029-243-9992印刷(株)光和印刷8