ブックタイトル広報 稲敷 2014年5月号 No.110

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概要

広報 稲敷 2014年5月号 No.110

arts and literature稲敷文芸俳句短歌35広報稲敷平成26年5月号梅褒めて茶の接待にあずかりし小林寿恵王(田宿)満開の梅に遊ぶや番つがいどり増田みきお(羽賀)初音して空みづいろを整へぬ矢口由里子(西町)いくたびも初音ききしをふれ歩く代静(犬塚)病む妻へ梅見る窓を少し開け酒井重雄(小羽賀)河岸の雨柳は風に落涙し石井忠(橋向)春の泥落して過ぎしトラクター宮本公夫(月出里)生命もつ如く炎の野火はしる幸田不死男(荒宿)仕舞いたしなれどしまえぬ春炬燵川崎典雄(鳩崎)桜餅年嵩ねたり姉弟岡村敏子(新山)蕗のとう笑顔のように開きおり福本きみえ(新山)念入りに墓を清めて彼岸前根本京子(高田)ひしくいや鉄塔越えれば北へ向く青木啓泰(本宿)梅古木低く咲かせし小家かな篠田邑草(新山)朝の空ひろがりてゆく初音かな山田とみ代(月出里)きりもなく洗濯舞うや春一番野口梅子(神宮寺)外来種稚魚の渦巻く春の湖山崎幸子(浮島)新しきモグラの土や春目覚め松田和美(下馬渡)湯をくぐる若布の色の真蒼かな富元禮子(古渡)兄弟が貶けなししけなされ春炬燵小貫和子(浮島)ぽつぽつと土手を灯して犬ふぐり大久保晴代(古渡)樫棒を打ち合い鹿島春祭り高須湖城(浮島)犬供養今に伝はる梅の辻鴻野のぶ尾(堀之内)蕗の薹土もぐら竜の盛り土やぶ椿春の序曲を奏でる陽ざし雨宮美世志(高田)父母に賜いし命父お母やの齢とし越えて今なほ歌にかかわる坂本緑(鳩崎)手も足も生命の力溢れいる曾孫の重さしかと抱きしむ根本冨貴子(田宿)苺食はめば雪にハウスの潰されしいちご農家の嘆息聞こゆ根本正直(門前)枯れ草の温もりの中たんぽぽは春の息吹にそっと顔出し財部睦美(光葉)夕暮れて白く浮き立つ雪柳小さき花の咲き盛りおり野沢とよ(羽賀)白鵬は先手にさきを進みゆく今日も白星みごとに一番松本静子(西町)畑隅の落葉掻き分け蕗の薹小さき春を摘みて味わう山口須美子(上君山)震災のあの日から三年鎮魂の鐘の音響きキャンドルゆれる山本彰治(高田)五十の子が「かあちゃん」と呼ぶ食卓の和やかな日がいつまで続け矢崎健一(古渡)現うしよ世の悲しみ受けし我が余生七十五歳の弟に逝かれて篠田すい(下太田)天寿をば全うしたる我が母に唯々深き感謝あるのみ椎木道代(柴崎)春のことすべて知っている梅の樹の下にクロッカス芽を出してをり吉田テル(伊佐津)吹きつける風もものかわ圏央道に幼ら老らの健脚つづく川村とみ(堀川)人生に寄り添うような貌をして忘却というものいとし疎まし宮渕敏江(下太田)日暮れまで遊び興じる子供らはゲーム機忘れて秘密基地ごっこ岡野千惠子(伊佐津)日もすがら夜もすがら降る大雪に今朝は鴉も声を潜めぬ板橋道子(福田)上手には啼けぬ雀の声きこゆ我と一緒なり同じこの世に根本邦子(押砂)太陽と口づけしたる紅ばらの今宵は椅子に月と眠れる諸岡ふじ枝(結佐)幾山河ありしと言へど今日集ふ幸を思へり後家らの宴に小泉實(福田)朝の日に薔そうび薇は紅く輝きていと清清し乙女のごとく柴崎文子(町田)雪晴れて庭の椿の葉をつたうしずく絶えまなく光りつつ落つ諸岡静江(伊佐部)美を詰めて美味を伝えて重の節せちこれぞ「和の食」誇りの高く吉田多嘉子(伊佐部)