ブックタイトル広報 稲敷 2014年4月号 No.109

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概要

広報 稲敷 2014年4月号 No.109

arts and literature稲敷文芸俳句短歌27広報稲敷平成26年4月号掻き溜めの雪にたはむれ下校生小林寿恵王(田宿)屋根からの雪解しずくに目覚けり増田みきお(羽賀)吸い上げる大樹の鼓動春隣酒井重雄(小羽賀)幟立ち雛もそろそろ目覚めけり宮本芳子(切通)雪掻きに近所となりの総出かな宮本公夫(月出里)豆撒や追われる鬼も歳をとり幸田不死男(荒宿)機中泊下りれば雪の茨城県青木啓泰(本宿)朧なる筑波と湖と吾が街と川崎典雄(鳩崎)男孫三人雛の出番なく山口須美子(上君山)春の雪子に心配を掛ける齢岡村敏子(新山)熱き茶に和むひととき春炬燵代静(犬塚)春寒し幾たび開く旅カバン根本京子(高田)風邪の子に粥炊く味の加減して篠田邑草(新山)お慈悲なる毛帽子被り五百羅像細川悦子(荒宿)雪?や信濃とちがう重さあり山田とみ代(月出里)猫柳窓に見つける停車駅高柳ゆき子(古渡)縁先に猫と並んで日向ぼこ根本静江(阿波)ソチの空熱き闘い冬銀河坂本きよ子(下馬渡)校庭に飛び跳ねる子ら春近し埜口信子(阿波)乗のりはま浜と呼ばれしあたり春の湖飯嶋伊津子(阿波)とろとろと辞書を枕に春炬燵根本ナカ(神宮寺)田の土の裏返されて寒明ける大久保晴代(古渡)妻の編むおんなじ色の冬帽子矢崎健一(古渡)闇の中秘密保護法可決して軍靴のひびき迫り来る恐怖雨宮美世志(高田)雪積る野面真赤く夕陽そめ空に孤愁の月白く浮く坂本緑(鳩崎)垣にとまる野鳩の足もうっすらと緋色めきて春を誘いざなう根本冨貴子(田宿)雪残る野を歩みゆく菱喰にきようこそ会わん五〇〇歩延ばす根本正直(門前)仏前に朝のあいさつ茶を淹れて今日も一日元気であれと松本静子(西町)記録的な大雪積りし日曜日過酷な雪?きの豪雪地思う山口須美子(上君山)久々にこどもと風呂に入りたり喜ぶ顔と弾んだ声と山本彰治(高田)立春に舞い落ちる雪春閉ざしベールの如し紅梅包む財部睦美(光葉)金婚の二人で選ぶ冬帽子好きで無難な焦茶の手編み矢崎健一(古渡)庭先に子等の作りし雪だるま日日に小さくなるを見とれる野沢とよ(羽賀)病院より夫つまの遺体に付き添つて大寒の夜道思いださるる篠田すい(下太田)我が家の庭の梅の花ちらほらとほころび初めて春を告げおり椎木道代(柴崎)賑わいを残して去りし娘ら二人夕餉の膳の寂しさ囲む吉田テル(伊佐津)早春賦口ずさみつゝ野を歩く東こ風ちの冷たさはねのけながら川村とみ(堀川)八十路の友編んでくれたる脚カバー我が裡うちまでも温みたりしよ宮渕敏江(下太田)家族みなそろいて囲む食卓のにぎやかさこそありがたきもの岡野千惠子(伊佐津)片足に首をすぼめてぽつねんと青鷺佇たてり物思うごとく坂本弥太郎(幸田)朝の陽ひを一途に受くる初雪の眩しさ知るや庭の葉牡丹諸岡ふじ枝(結佐)窓越しの陽のぬくもりも束の間にかげりは早し今日は大寒柴崎文子(町田)音もなく夜更けしぐれが雪撒きて過ぎしや白き今朝の庭先板橋道子(福田)「春来れば高校生になりますね」青年期へと真直ぐに歩め根本邦子(押砂)思ひのたけ言ひ得ず為し得ず過ぎゆくも晩年の個性自ずと整ふ小泉實(福田)戸を繰れば枯木につもる初雪をはらりとこぼし鳥の飛びたつ諸岡静江(伊佐部)