ブックタイトル広報 稲敷 2014年3月号 No.108
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広報 稲敷 2014年3月号 No.108
arts and literature稲敷文芸俳句短歌27広報稲敷平成26年3月号冬の蝶風の力を借りて飛び小林寿恵王(田宿)立ち寄りし神社にもらう年の酒増田みきお(羽賀)初夢や友若やぎて旅を云ふ矢口由里子(西町)兵役と謂いわれ死なずに屠蘇を酌む酒井重雄(小羽賀)師の話題毎年のぼる初句会山口須美子(上君山)日脚伸ぶ夕日に惑う腹時計石井忠(橋向)初春や小枝に光る空のいろ岡村敏子(新山)ぴょんぴょんと庭に小鳥の御慶かな福本きみえ(新山)カーテンを開けて待ちたる初明り宮本芳子(切通)古稀迎え新たな一歩今朝の春幸田不死男(荒宿)百ももとせ歳の人と別れし去年今年川崎典雄(鳩崎)唄踊り笑ひあふれて初句会根本京子(高田)公然と妻の抗議や小正月青木啓泰(本宿)初富士の見えて佳き日の詣でかな細川悦子(荒宿)師の墓へ詣でて向う初句会山田とみ代(月出里)年女まだまだ若いと賀状来る山崎幸子(浮島)畏かしこみて歌会始め聞き入りぬ松田和美(下馬渡)玄関に咲かす紅白餅の花高柳ゆき子(古渡)ビルとビル狭はざま間の家や日脚伸ぶ富元禮子(古渡)雪化粧富士正面にバス走る小貫和子(浮島)早咲きの水仙の香の部屋に満つ野口梅子(神宮寺)大根抜き妻の笑顔に力あり高須湖城(浮島)蔕へただけを残し柿の木裸なり鴻野のぶ尾(堀之内)四十年賀状を交わす旅の友再会約すも老いには勝てず雨宮美世志(高田)翼持て子を抱けざれば山鳩は巣おち子のぞきおろおろしおり坂本緑(鳩崎)生かされている幸せを初日さす窓辺に座して亡き母に告ぐ根本冨貴子(田宿)また取り出し百余の賀状繰り見つつ吾が周辺の仄温かし根本正直(門前)冬日差す部屋の火燵に猫と共に大寒入りをテレビ見ている野沢とよ(羽賀)夫逝きて世の中せまくなりにしか年賀のハガキ少なくなりて松本静子(西町)除夜の鐘遠く近くに鳴るを聞きつ子の好物の筑前煮煮る山口須美子(上君山)今年こそ逢いたいと書く年賀状齢よわい重ねて五十数枚財部睦美(光葉)冬空の星より生まれ飛行機は大きく曲がり成田へ向かう矢崎健一(古渡)今は亡き夫つまの上着のポケツトよりニトロ舌下錠ぽろり落ちたり篠田すい(下太田)厳寒の最中に雪の降り初そめて身心共に凍りつく朝椎木道代(柴崎)たまゆらに?を放つ冬の陽は瑠璃の街並溶かし始める吉田テル(伊佐津)青鷺に鴉・小鳥を從えて冬田耕すトラクター川村とみ(堀川)暁の浅き眠りを掻き乱す目覚し時計の心無きかな宮渕敏江(下太田)春近き兆きざし告げるか秋植の球根の芽はあちこちに出ず岡野千惠子(伊佐津)川の面は鏡の如く明け初めて初日満ちたりわが故郷に諸岡静江(伊佐部)語彙ひとつさがしゐる辞書に興そそる言葉のあれば寄り道たのし小泉實(福田)「数年ぶり障子張り替えて明るし」と日記に遺る母の筆跡板橋道子(福田)今年こそ薬離れと昼に夜に願いはすれども心許なく柴崎文子(町田)清らかさ霜に失せたる庭の菊老いたる我に少し似てきぬ諸岡ふじ枝(結佐)温かく我の背を押す友といて熱きコーヒーの胸に染み入る根本邦子(押砂)「明年は遠慮します」と年頭に旧交長き友の添え書き吉田多嘉子(伊佐部)