ブックタイトル茨城県近代美術館 美術館だより No.97
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茨城県近代美術館 美術館だより No.97
MOMAIBARAKI茨城県近代美術館美術館だよりContents1表紙「生誕100年佐藤太清展」より(五浦美術館)2「生誕100年佐藤太清展」(五浦美術館)3「ようこそ、白牙会展へ―茨城洋画界の幕開け」を終えて(つくば美術館)4「岡倉天心没後100年記念展天心の思い描いたもの―ぼかしの彼方へいま大観、観山、春草、武山、そして現在」(近代美術館)5「木村武山による文化財保護-地方の古美術発掘の事蹟」(五浦美術館)6「フランス万華鏡」(近代美術館)7事業レポート(近代美術館、つくば美術館)8インフォメーション/編集後記五浦美術館企画展「生誕100年佐藤太清展」よりNo.97February 07, 2014佐藤太清「旅の朝」1980(昭和55)年朝の雪景色は、清々しい空気感と清浄感に満ちています。枝に積もるふっくらとした雪はぬくもりさえ感じられ、そウソこに群がる5羽の鷽が画面に彩りを添え、生命を愛おしく見つめる画家のまなざしが伝わってきます。複雑に枝が絡まり合いながら垂直に伸びる株立ちの梅もどき、その背後を横切る川が交差して、あたかも十字架を見るような構築的な画面となっています。繊細巧緻で詩情にあふれる作品とも言えますが、一方で情感に流されることをさけ、どこまでも作品を写実的かつ造形的に扱おうとする画家の厳しい姿勢もうかがえます。こうした太清芸術は、昭和55年以降10年間にわたり、旅先で出会った一期一会の情景を描く連作「旅シリーズ」に結実してゆきますが、越後取材旅行の所産である本作品は、シリーズ最初期の作品であり、第12回日展に出品されました。[天心記念五浦美術館首席学芸主事三代博紀]1